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【2026年夏 総まとめ】日本人海外組の移籍市場 — この夏の決定と見えてきた構図

カカイ(運営者)公開 2026.07.25更新 2026.10.04

ワールドカップイヤーの夏、移籍市場はいつも以上に騒がしかった。日本時間の9月2日朝までに、リーグ・アン、ブンデスリーガ、セリエA、ラ・リーガ、プレミアリーグの窓が順に閉じ、5大リーグの夏の移籍市場はすべて終わった。本記事は7月下旬から随時更新で追ってきた定点観測を、この閉幕を受けて総まとめの形に改稿したものだ。ベルギーを含む欧州7リーグの窓も9月4日朝までにすべて閉じた。そして9月30日、最後まで所属先が決まっていなかった伊藤涼太郎選手のバリャドリード加入が発表され、本サイトが追う選手の夏の移籍はすべて出揃った。閉幕後の動きは、末尾の節で扱う。

締切の日時は関連記事「【2026年夏】移籍市場のクローズ日時まとめ」に整理してある。

扱うのは、クラブや選手の公式発表で確定した「決定」だけ。噂と決定を明確に区別するルールは本サイトの他のページと共通で、個々の詳細は各選手ページの噂タイムラインと合わせて読んでもらえたらうれしい。

この夏の決定 — リーグ別の動き

まず事実の整理から。この夏、日本人選手の海外クラブへの移籍は50件を数えた。うち欧州のクラブへが48件だ(同じ夏に2回移籍した選手は、最終的な移籍先で数えている)。ワールドカップイヤーのひと夏で、これだけの数の選手が海外に新天地を求めたことになる。このうち特に注目しているものをリーグ別に挙げる。

プレミアリーグ

契約満了で無所属となっていた冨安健洋選手がクリスタル・パレスへフリーで加入した。移籍金の発生しない、契約満了からのフリー移籍だ。そして8月に入り、鈴木彩艶選手がパルマからアストン・ヴィラへ完全移籍した。ワールドカップでゴールマウスを守ったGKが、セリエAからプレミアへ移った形になる。一方で、期限付き移籍先からトッテナムへ戻っていた高井幸大選手は、締切直前にベルギーのシント=トロイデンへ期限付きで移った。

チャンピオンシップ

締切直前に2人が加わった。ヘントから伊藤敦樹選手がボルトン・ワンダラーズへ、セルティックから旗手怜央選手がバーンリーへ、いずれも完全移籍。旗手選手の去就は今夏を通じて報じられ続けたテーマで、最終盤にイングランド2部で決着した。

ラ・リーガ

今夏の主役級が2件。バレンシアは19歳の佐藤龍之介選手をFC東京から完全移籍で迎えた。そしてレアル・ソシエダは、京都から期限付きで加入しBチームでスペイン2部31試合に出場した喜多壱也選手の買取オプションを行使し、2030年までの完全移籍に切り替えた。ラス・パルマスも宮代大聖選手の買取オプションを行使しており、期限付きでの実績を経た完全移籍が続いた。そして閉幕後の9月30日、契約満了で無所属となっていた伊藤涼太郎選手が、スペイン2部のバリャドリードへフリーで加入した。契約は2027年6月まで。

ブンデスリーガ

日本人の動きが最も濃い。1部復帰を決めたシャルケ04はデュッセルドルフから田中聡選手を完全移籍で獲得し、2030年までの長期契約を結んだ。フライブルクにはシント=トロイデンから山本理仁選手が、W杯メンバーの後藤啓介選手が、ともに完全移籍で加入。宇野禅斗選手は清水からボルシアMGへ完全移籍した。そして18歳の山本天翔選手はガンバ大阪からドルトムントへ期限付きで渡った。登録はセカンドチームながらすでにトップチームに帯同してデビュー戦でゴールを記録。買取オプション付きと報じられており、続報が最も楽しみな移籍のひとつだ。また、橋岡大樹選手がスラヴィア・プラハからボルシアMGへ期限付きで加入。そのボルシアMGは8月下旬、アヤックスから板倉滉選手を完全移籍で迎え、2030年夏までの契約を結んだ。2部でも、ホルシュタイン・キールが関根大輝選手・安部大晴選手・髙橋仁胡選手と3人の日本人を期限付きで揃えている。トップチーム以外では、大宮アルディージャからRBライプツィヒのU-19へ期限付きで渡った神田泰斗選手もいる。18歳が育成年代のチームで欧州に挑む形だ。

セリエA

鈴木彩艶選手のアストン・ヴィラ移籍で、名鑑の所属がいったん0人になった。だが締切間際、菅原由勢選手がサウサンプトンからカリアリへ買取オプション付きの期限付きで加入し、日本人不在のシーズンは避けられた。

リーグ・アン

夏の前半はル・アーヴルの2人が話題だった。水多海斗選手が完全移籍、広島から中村草太選手が期限付きで加入し、瀬古歩夢選手と合わせて日本人トリオが誕生した。そして最終盤、大きな2件が続いた。上田綺世選手がフェイエノールトからリールへ完全移籍し、2030年までの4年契約を結んだ。リールにとって史上初の日本人選手だ。さらに窓が閉じた翌日、フランス2部のスタッド・ランスから中村敬斗選手がリヨンへ完全移籍した。こちらも2030年6月までの4年契約で、リヨンにとっても史上初の日本人選手になる。閉幕後の加入がなぜ可能だったのかは、後段の「最終盤の動き」で触れる。名鑑のリーグ・アン所属は、モナコの南野拓実選手を含めて6人になった。

エールディヴィジ(オランダ)

佐野航大選手がNECナイメヘンからPSVへ完全移籍した。エールディヴィジの中で、強豪への移籍を勝ち取った形だ。

ベルギー

目玉はやはりシント=トロイデン。鹿島から荒木遼太郎選手、セレッソ大阪から石渡ネルソン選手がともに完全移籍で加わり、締切直前にはトッテナムから高井幸大選手が期限付きで加入した。名鑑上の日本人は8人で、今夏も最大勢力だ。ベルギーの締切当日には、ガンバ大阪から名和田我空選手がシャルルロワへ期限付きで加わっている。ほかにもルーヴェンへの荻原拓也選手・山田新選手(ともに期限付き)、アントワープへの安藤晃希選手(完全)、コルトレイクへの倍井謙選手(期限付き)、パトロ・アイスデン・マースメヘレンへの高岡伶颯選手(完全)など、今夏も流入は続いている。2部でも、川崎フロンターレから永長鷹虎選手がベールスホットへ完全移籍した。また、シント=トロイデンは谷口彰悟選手との契約延長を発表した。

その他の欧州

町田ゼルビアから中山雄太選手がセルビアのレッドスター・ベオグラードへ完全移籍。横田大祐選手はヘントからハノーファーへ、そしてスコットランドのレンジャーズへと、同じ夏に2度の完全移籍を経験している。

大学から直接欧州へ

大学から直接欧州へ渡る移籍も記録された。ンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄選手が桐蔭横浜大学の在学中にデンマークのオールボーBKへ完全移籍し、Jリーグを経ずにプロのキャリアを欧州で始める。この件については、後段の構図1で改めて触れる。

MLS

北米にも2人が渡った。古橋亨梧選手がバーミンガム・シティからロサンゼルス・ギャラクシーへ、濃野公人選手が鹿島アントラーズからDCユナイテッドへ、ともに完全移籍。欧州だけでなく、日本人選手の行き先は大西洋の向こうにも広がっている。

海外からJリーグへ

海外からJリーグへの移籍は12件あった。約10年の欧州キャリアを歩んだ浅野拓磨選手はキャリアの原点・広島へ、川村拓夢選手もザルツブルクから古巣の広島へ、ともに完全移籍。レアル・マドリードの下部組織出身として長く注目された中井卓大選手はFC今治へ、瀬古樹選手はストーク・シティから浦和へ、稲村隼翔選手はセルティックからFC東京へ、明本考浩選手はルーヴェンから町田へ、小川航基選手はNECナイメヘンから町田へ移った。ロサンゼルス・ギャラクシーからは山根視来選手が浦和へ加わっている。9月17日には、藤本寛也選手がバーミンガム・シティから古巣の東京ヴェルディへ期限付きで移った。欧州やMLSで積んだ経験を、Jリーグの舞台でどう生かすか。海外組を追ってきた本サイトとしても、彼らの今季の活躍に期待したい。

ここまでが「何が起きたか」。ここからは、この決定の束から見えてきた「構図」を読む。

構図1 — 「ステップアップリーグ」を飛ばす移籍。直行の行き先の格が上がっている

日本人選手の海外挑戦の王道は、長く「Jリーグ→ステップアップリーグ(ベルギーなど)→5大リーグ」という階段だった。今夏のデータには、この階段を飛ばす移籍がはっきり刻まれている。

佐藤龍之介選手はFC東京からラ・リーガのバレンシアへ、宇野禅斗選手は清水からブンデスリーガのボルシアMGへ。いずれも4大リーグのクラブへの直行の完全移籍だ。昨年の高井幸大選手(川崎フロンターレ→トッテナム)に続く流れであり、さらに中村草太選手も期限付きながら5大リーグのル・アーヴルへ直接渡った。

さらに山本天翔選手のドルトムント行きもこの文脈にある。登録こそセカンドチームだが、トップチームに帯同して結果を出し始めており、買取オプション付きと報じられる契約は、4大クラブが日本の10代を直接押さえに来る動きの一例だ。

そして今夏は、階段の一段目であるJリーグそのものを踏まない移籍も生まれた。ンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄選手は桐蔭横浜大学の在学中にデンマークのオールボーBKへ完全移籍し、プロとしての一歩目を欧州で踏み出した。昨夏に筑波大学からデンマークのブレンビーへ渡った内野航太郎選手に続く形で、大学サッカーから直接欧州へ向かう道が二年続けて選ばれたことになる。

件数はまだ少なく、「これが主流になった」と断定はできない。だが、ステップアップリーグを経ない4大直行が現実の選択肢として繰り返し起きていることは、決定データからそのまま言える。Jリーグでのパフォーマンスが、経由地なしでビッグリーグの評価対象になり始めている——今夏の市場が示す変化のひとつだ。

構図2 — 受け皿の多極化と、次の一歩の壁

かつて「日本人選手の集積地」といえばシント=トロイデンの代名詞だった。今夏の決定を名鑑の顔ぶれと重ねると、この構図が変わりつつあるのが分かる。

フライブルクは今夏だけで山本理仁選手、長田澪選手、後藤啓介選手の3人が加入し、鈴木唯人選手と合わせて4人体制になった。4大リーグのクラブに日本人カルテットが生まれたことになる。ボルシアMGも宇野禅斗選手、橋岡大樹選手、板倉滉選手を同じ夏に迎え、町野修斗選手と合わせて4人。ル・アーヴルは水多海斗選手と中村草太選手を迎え、瀬古歩夢選手と合わせて3人。ホルシュタイン・キールには関根大輝選手、安部大晴選手、髙橋仁胡選手が期限付きで集まった。OHルーヴェンにも荻原拓也選手と山田新選手が同じ夏に2人加入している。そしてSTVVは石渡選手・荒木選手に加えて最終盤に高井幸大選手を迎え、8人と最大勢力であり続けている。さらにリーグ・アンでは、リールとリヨンがそれぞれ上田綺世選手・中村敬斗選手を史上初の日本人選手として迎えた。足場のなかった名門に、新しい足場ができた形だ。

日本人選手の受け入れ実績があるクラブは、適応支援のノウハウが蓄積され、次の獲得のハードルが下がる。STVVが体現してきたこの好循環が、ベルギーの外——ドイツやフランスの1部クラブへ広がり始めている。「どのリーグに行くか」だけでなく「どのクラブに日本人の足場があるか」が、移籍先選びの地図になりつつある。

セルティック、日本人ゼロに

一方で、集積地は増えるだけではない。かつて古橋亨梧選手、旗手怜央選手、前田大然選手、岩田智輝選手らが同時に在籍し「日本人の拠点」だったセルティックは、古橋選手のMLS行きと山田新選手の期限付き移籍、前田選手のイプスウィッチへの完全移籍、稲村隼翔選手のFC東京への完全移籍に続き、締切直前には旗手選手までがバーンリーへ完全移籍した。名鑑上、セルティックに日本人選手はいなくなった。 数年前には考えにくかった光景が、この夏に現実になった。

本サイトの噂タイムラインを振り返ると、セルティックの日本人選手には、移籍の話が出てもすぐには動けず、市場をまたいで持ち越された例が目立つ。前田選手は今夏の市場が本格化する前から複数のクラブの名前が挙がり、決着は7月下旬。旗手選手も同じように名前が挙がっては消え、決まったのは締切の直前だった。選手が望むタイミングで送り出されるとは限らない——集積地からの「次の一歩」の難しさは、セルティックの顔ぶれの変化に最もはっきり表れている。

ポルトガル1部も守田英正選手の契約満了により、名鑑上の所属はアロウカの福井太智選手ひとりになった。

そして今夏、最も極端な形で空白が生まれかけたのがセリエAだ。鈴木彩艶選手のアストン・ヴィラ移籍により、名鑑のセリエA所属は8月中旬にいったん0人になった。締切間際に菅原由勢選手がカリアリへ期限付きで加入して1人に戻ったものの、4大リーグの一角から日本人が消える寸前まで行ったこと自体が、集積地の地図が固定ではないことを最もはっきり示している。

集積地で出場機会を得て評価を上げても、そこから5大リーグへすぐに移れるわけではない。今夏は前田大然選手がセルティックからイプスウィッチへ、守田英正選手がスポルティング退団を経てハル・シティへと、いずれもプレミアリーグへ移った。ただ、どちらも話が出てすぐに決まった移籍ではない。両者とも移籍の噂は今夏の市場が本格化する前から繰り返し報じられ、複数のクラブの名前が挙がっては消えた。守田選手の場合はスポルティングとの契約が満了して、ようやく次の所属先が決まった。移籍が成立するかどうかは選手の評価だけで決まらない。クラブが設定する移籍金の額や、主力を手放すかどうかの判断といった売り手側の事情が絡む。集積地からの次の一歩には、この壁がついて回る。

その壁を越えた例が、佐野航大選手のPSV行きだ。NECナイメヘンでの評価を足がかりに、同じリーグの強豪へ移った。リーグをまたがずとも、国内のより上位のクラブへ移ることでキャリアを進める道があることを示している。受け皿は「日本人が多いか」だけでなく「望んだときに次へ進めるか」でも選別され始めている——集積地の地図は固定ではなく、新陳代謝の中にある。

構図3 — 契約満了、それぞれの選択。冨安・守田、そして鎌田

今夏の市場でひときわ目を引くのが、契約満了でフリーとなった代表の中軸2人だ。冨安健洋選手はアヤックスとの契約を満了したのち、クリスタル・パレスへフリーで加入した。守田英正選手もスポルティングとの契約を満了し、プレミアのハル・シティへの加入が決まった。いずれも契約満了をキャリアの区切りとして、フリーの立場で次の挑戦先を選んだ形だ。

鎌田大地選手は別の選択をした。クリスタル・パレスとの契約満了が間際に迫るなか、7月に1年の契約延長が公式発表され、残留が決まった。背景として大きいのは、世界最高峰と評されるプレミアの舞台に立ち続けられるという点だろう。クラブ会長が「多くの選択肢を断ってくれた」と明かしたとおり、選択肢のある中でのプレミア残留だった。契約満了は「退団」と同義ではなく、行き場を失うことでもない。延長して残るのか、フリーの立場を生かして新天地を選ぶのか——満了間際はキャリアの選択の局面であり、冨安選手・守田選手と鎌田選手はその選択のふた通りの形を示している。

今夏はもう一人、中島翔哉選手が契約満了からポルトガルのポルティモネンセへフリーで加入した。かつてポルトガルでプレーした選手が、フリーの立場を使って同じ国へ戻った形になる。

閉幕時点で名鑑の無所属は伊藤涼太郎選手ひとりだった。シント=トロイデンとの契約が満了してから約3か月後の9月30日、スペイン2部のバリャドリードへフリーで加入し、名鑑の無所属は0人になった。市場が閉じたあとでも契約できるのは、フリーの立場ならではだ。

もっとも、クラブの側から見れば景色は変わる。契約満了での退団は、クラブに移籍金をもたらさない。だからクラブは、満了が近づく主力に延長を提示するか、契約が残っているうちに移籍を成立させるかの判断を迫られることになる。鎌田選手の延長は、選手にとってのプレミア残留であると同時に、クラブにとっても戦力を手放さずに済む決着だった。フリーの仕組みとクラブ側の事情は、関連記事「「無所属(フリー)」とは何か」で詳しく解説している。

構図4 — プレミアの日本人、閉幕時点で9人

そしてもうひとつ、今季の特徴になるのがプレミアリーグだ。閉幕時点の名鑑のプレミア勢は9人。三笘薫選手、遠藤航選手、鎌田大地選手、田中碧選手に、コヴェントリーの昇格によりプレミアの舞台に立つ坂元達裕選手。ここに今夏、イプスウィッチへ完全移籍した前田大然選手、契約満了からハル・シティ入りした守田英正選手、フリーでクリスタル・パレスへ加入した冨安健洋選手、そしてアストン・ヴィラへ完全移籍した鈴木彩艶選手の4人が加わった。一方、期限付き移籍先からトッテナムへ戻っていた高井幸大選手は、締切直前にシント=トロイデンへ期限付きで移り、名鑑上はプレミアから外れた。

今夏プレミアに加わった4人はいずれも噂の段階から追ってきたもので、公式発表をもって決定に切り替わった。そして4人全員が完全移籍かフリー契約で、期限付きはひとりもいない。腰を据えてプレミアで戦う前提の移籍がこれだけ揃ったのは、この夏の特徴として記録しておきたい。

最終盤の動き — 締切前後に決まった5件

締切の前後には、今夏を通じて追ってきた噂が立て続けに決着した。9月1日に上田綺世選手のリール移籍と高井幸大選手のシント=トロイデン行き、2日に菅原由勢選手のカリアリ加入と旗手怜央選手のバーンリー移籍が発表された。そして窓が閉じた翌日、中村敬斗選手のリヨン移籍が公式発表された。

このうち中村選手の件は、市場が閉じたあとに登録が成立するという、通常では起きない順序で決まった移籍だ。可能にしたのは、フランスのリーグ規約にある「ジョーカー」と呼ばれる特例だ。リヨンの公式発表に明記はないが、閉幕後にフランス国内のクラブから加入したという事実関係からみて、この制度による登録と考えてよいだろう。1クラブにつき1人まで、フランス国内の移籍に限る、という条件つきの例外で、仕組みは関連記事「移籍期限を過ぎても移籍できる? フランス「ジョーカー」制度の仕組みと条件」で解説している。

閉幕後に決まった最後の1件

欧州の主要リーグの窓は閉じた。9月に入っても窓が開いていたポーランドでは、福田心之助選手がレギア・ワルシャワに期限付きで加わった(9月4日決定)。

本サイトが追う選手で最後まで所属先が決まっていなかったのは、シント=トロイデンとの契約満了で無所属になった伊藤涼太郎選手だった。9月下旬にはシント=トロイデンとの交渉の再開やセルタの関心が報じられたが、9月30日、スペイン2部のバリャドリードがフリーでの加入を公式発表した。契約は2027年6月までだ。スペインの窓は9月1日に閉じていたが、登録期間が終わる前に契約が満了していた選手は、期間が閉じたあとでも、各国の協会の判断で登録が認められる(FIFA「選手の地位および移籍に関する規則」第6条3項)。クラブの発表にこの規定への言及はないが、6月に契約が満了していたという事実関係からみて、この例外による加入と考えてよいだろう。これで、本サイトが追う選手の2026年夏の移籍はすべて出揃った。

一方、今夏を通じて名前が挙がり続けた選手にも、動かないまま所属リーグの窓が閉じた例がある。佐野海舟選手はクラブ幹部が残留を明言したと報じられ、堂安律選手は移籍交渉が最終盤で破談になったと伝えられた。渡辺剛選手には中東クラブの関心が報じられたが、本稿更新時点で公式な動きはない。噂が決定に至らないことも、市場の日常だ。

更新履歴

  • 2026年7月25日 — 初版公開
  • 2026年7月25日 — 冨安健洋の去就に関する記述を最新の報道状況に合わせて更新
  • 2026年7月27日 — 守田英正・前田大然の移籍決定を反映
  • 2026年8月7日 — 7月末〜8月上旬の決定(谷口・濃野・橋岡・高岡・冨安)を反映
  • 2026年8月7日 — 閉幕時期の記述を締切記事の公開に合わせて修正
  • 2026年8月22日 — 8月中旬までの決定(鈴木彩艶・板倉・佐野航大・髙橋・中島・永長ほか)を反映。プレミア勢の人数を10人に、集積地の顔ぶれを最新の名鑑に合わせて更新。選手名の表記を「◯◯選手」に統一
  • 2026年9月3日 — 5大リーグの閉幕を受けて総まとめに改稿。8月下旬から締切後までの決定8件(上田・高井・菅原・旗手・中村敬斗・中山・伊藤敦樹・小川)を反映し、海外クラブへの移籍を49件(うち欧州47件)に更新。プレミア勢9人・セリエA1人・セルティック0人など名鑑の実数を閉幕時点に合わせて更新。噂の節を「最終盤の動き」「まだ閉まっていない市場」に再構成
  • 2026年9月4日 — ベルギーの窓の閉幕を受け、名和田我空選手のシャルルロワ移籍と福田心之助選手のレギア・ワルシャワ移籍を反映。海外クラブへの移籍を51件(うち欧州49件)に更新。「まだ閉まっていない市場」を再構成
  • 2026年9月26日 — 藤本寛也選手の東京ヴェルディ移籍を反映し、件数を最新の決定データに合わせて更新(海外クラブへの移籍49件・うち欧州47件、海外からJリーグへの移籍12件)。末尾の節を、市場の閉幕後も移籍できる無所属の伊藤涼太郎選手を扱う形に改めた
  • 2026年10月1日 — 5大リーグの窓が閉じた順番の記述を、締切日時の確認結果に合わせて修正
  • 2026年10月4日 — 伊藤涼太郎選手のバリャドリード加入(9月30日)を反映し、海外クラブへの移籍を50件(うち欧州48件)に更新。末尾の節を、この夏の移籍が出揃った形に改めた
用語メモ

完全移籍 — 保有権ごとクラブ間を移る移籍。期限付き移籍(レンタル) — 保有元との契約を残したまま、期限を定めて他クラブでプレーする移籍。買取オプション — 期限付き移籍の契約に付く「完全移籍へ切り替える権利」。契約満了 — 契約期間の終了に伴いフリー(無所属)になること。いずれも詳しくは関連記事で解説する。

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